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ラダック・トレッキングガイド2025:初心者から上級者までおすすめのルートと準備方法

なぜラダックを歩くのか?

ラダックはただの旅行先ではありません。それは、心が動かされる「気づきの旅」の始まりです。インド最北部のヒマラヤ山脈にひっそりと広がるこの高地の砂漠は、静けさが語り、山々が呼吸し、すべての道が物語を語ってくれる場所です。2025年、ラダックは、風景を超えた体験を求めるトレッカーたちにとって、まさに理想の目的地です。

カラコルム山脈とザンスカール山脈に囲まれたラダックの地形は、まさに自然の芸術です。風に削られた谷、氷河から流れ出す川、断崖にしがみつくように建つ村々、そして空に届きそうな高峠——一歩一歩が、静寂と時間に磨かれた地形を踏みしめる旅です。シャム・バレーの太陽に照らされた小道を歩く時も、チャダル・トレックの氷の川をたどる時も、その経験は心の深くに響くものとなるでしょう。

ラダックのもうひとつの魅力は、何世紀も続く文化の豊かさです。他のヒマラヤ登山道とは異なり、ここではルートの途中に何百年も続く仏教僧院や白く輝く仏塔が点在し、青い空にカラフルなタルチョ(祈祷旗)がはためいています。マルカ、ウムルン、ルムバックのような村々では、ただの休憩所ではなく、ヒマラヤの暮らしそのものに触れることができます。家庭に迎え入れられ、バター茶を飲み、昔ながらの祈りの風景を目にすることができるのです。

ラダックはまた、標高のバリエーションが豊富なことでも知られています。シャム地方の初心者向け低高度トレイルから、コンマル・ラ峠やパラン・ラ峠のような過酷な高山峠まで、自分の体力や経験に合わせてルートを選ぶことができます。カン・ヤツェ II やゾ・ジョンゴのような山々の麓まで行けるトレッキングもあり、ただの登山ではなく、自分自身と向き合う旅にもなるでしょう。

2025年のラダックは、インフラの改善、環境配慮型のトレッキングの広がり、そして現地サポート体制の充実により、これまで以上に歩きやすく、かつ秘境の魅力を保ったまま訪れることができます。新しいルートの整備や交通の発展によって、自分の時間や目的に合わせた旅の組み立ても簡単になりました。

初心者でも、自立したソロトレッカーでも、あるいは本格的な遠征に挑む経験者でも、ラダックは誰にとっても何かを与えてくれる場所です。空が広く、静寂が深く、歩く道がすべて物語になるこの地で、今こそ歩き始めてみませんか。

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ラダックトレッキングのベストシーズン

シーズン選びは、ラダックでのトレッキングの成否を左右します。標高3,000〜6,000メートルに広がるこの地では、天候がアクセス、安全性、快適さに大きく影響します。2025年は気候の変動が見られるものの、基本的なトレッキングシーズンはこれまでと同様、春から初秋にかけて。月ごとに特徴が異なるので、自分の旅の目的に合った時期を選ぶことが大切です。

春から初夏(5月中旬〜7月初旬)

この時期は、多くのクラシックトレイルが歩きやすくなる「黄金の季節」です。雪解けが進み、シャムバレーやラマユル〜アルチ間のルートなど、標高の低いトレイルが完全に開通します。空気は澄み渡り、空は鮮やかな青に染まり、谷には野花が咲き乱れます。マルカ・バレーやヘミス国立公園のトレッキングに最適な気候です。

この時期は観光客も比較的少なく、静かな環境でのトレッキングが楽しめます。ヌブラ渓谷やツォ・モリリ湖への道路も5月下旬には通行可能となることが多く、アクセスもしやすくなります。景色が美しく、光の条件も良いため、写真好きにもおすすめです。

盛夏(7月中旬〜8月中旬)

インド各地がモンスーンに包まれるこの時期、ラダックはヒマラヤの雨影にあるため比較的乾燥した気候が保たれます。トレッキングのハイシーズンとなり、マルカ・バレーやカン・ヤツェIIベースキャンプ、ツォ・モリリ〜スピティなど多くのルートが賑わいます。

日中は暖かく、夜は涼しく、ほとんどのトレイルが開通しています。ただし高地での直射日光は強く、紫外線対策や水分補給が欠かせません。また、村でのホームステイなども予約が埋まりやすくなるため、事前の手配がおすすめです。

晩夏から秋(8月下旬〜10月初旬)

静けさと紅葉を求めるなら、この時期が最適です。トレイルは空き、光は柔らかく、山々や谷は黄金色に染まります。スノーレパード・トレックやザンスカールの奥地、高峠であるコンマル・ラやパラン・ラなども歩きやすくなります。

9月に入ると気温は徐々に下がりますが、日中は快適なトレッキングが可能です。野生動物の目撃率も高くなり、アイベックス(シベリアアイベックス)やブルーシープ、そしてスノーレパードなどにも出会える可能性が高まります。

冬(11月〜3月):挑戦者の季節

多くのルートが雪と寒さにより閉鎖されますが、この時期こそ「チャダル・トレック」の本番です。凍ったザンスカール川の上を歩くこのトレッキングは、まさに唯一無二の体験。十分な体力と事前準備、専門ガイドが不可欠です。気温は-20°Cを下回ることもあり、万全の装備が求められます。

まとめると、ラダックのトレッキングのベストシーズンは、自分がどんな体験を求めているかによって決まります。6月の花咲く谷、8月の本格高山ルート、9月の静かな黄金色の風景——どれもが特別な時間です。ただし、どの時期も共通するのは「高度」「天候」「順応」が旅のカギを握ること。山に敬意を払い、その変化を受け入れることで、かけがえのない体験が得られるでしょう。

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2025年おすすめのラダック・トレッキングルート

ラダックは、古代の谷を抜け、高山の峠を越え、人里離れた伝統的な村々を結ぶ夢のようなトレッキングルートに満ちています。経験豊富な冒険者でも、初めてのハイキング旅行者でも、2025年のラダックは、それぞれのレベルや好みに応じたルートを提供してくれます。ここでは、今年ぜひ歩いてほしい注目のトレイルをご紹介します。

マルカ・バレー・トレック:ヒマラヤの定番ルート

ラダックの中でも特に有名なトレッキングルートであるマルカ・バレー・トレックは、自然の美しさと文化体験が調和した完璧なルートです。6〜8日間の行程で、ハンカルやウムルンといった美しい村を巡りながら、現地の家庭に泊まるホームステイ形式の宿泊が旅の魅力を深めてくれます。最終日には、標高5,200mのコンマル・ラ峠を越えるスリル満点の体験も待っています。

トレイルとしての難易度は中程度。高地順応をしっかり行えば、体力のある初心者でも楽しめます。道中ではブルーシープやマーモット、ワシなどの野生動物に出会うことも。景色だけでなく、自然とのふれあいも魅力のひとつです。

シャム・バレー・トレック:初心者に最適なトレイル

“ベビートレック”として知られるこのトレッキングは、初めての方や時間が限られている旅行者にぴったりのルートです。2〜4日間の行程で、リキル、ヤンタン、ヘミス・シュクパチャンなどの伝統的な村をつないで歩きます。標高は比較的低く、道の勾配も緩やか。無理なくラダックの魅力を味わうことができます。

果樹園、仏教僧院、祈祷旗が揺れる丘を歩きながら、地元の人々とのふれあいを楽しめる文化的なトレック。ホームステイを通じて、暮らしの中に入り込むような体験ができるのもこのルートの魅力です。

チャダル・トレック:凍ったザンスカール川を歩く冒険

スリルを求めるなら、冬のラダックでしかできないチャダル・トレックが断然おすすめです。1月中旬から2月中旬にかけて実施されるこのトレッキングでは、凍りついたザンスカール川の上を歩くという貴重な体験ができます。気温は-25°C以下にもなり、過酷な環境下での冒険です。

しかしその分、氷の洞窟や凍った滝、静寂の中に響く足音など、他では味わえない幻想的な風景が広がっています。体力と事前準備が必要ですが、一生の思い出になる特別なトレックです。

スノーレパード・トレック:野生動物の王者を探して

このトレッキングは、ただの山歩きではなく、野生動物観察の旅でもあります。ヘミス国立公園を舞台にしたスノーレパード・トレックは、自然好きや写真家にとって理想的なルートです。1月〜3月がベストシーズンで、スノーレパードだけでなく、アイベックス、狐、多様な鳥類にも出会えるチャンスがあります。

地元のトラッカーや専門ガイドが案内してくれるこのトレッキングは、標高や距離よりも観察に重点を置いた内容。時間をかけてじっくり自然と向き合いたい方におすすめです。

ツォ・モリリ〜スピティ・トレック:孤独を楽しむ本格ルート

誰にも邪魔されず、壮大な自然の中を歩きたい——そんな願いを叶えてくれるのがこのルート。ツォ・モリリ湖からスピティ渓谷へ抜けるこの長距離トレックは、標高4,500m以上の高地が続く過酷なコースです。遊牧民の集落や野性味あふれる高原地帯を越え、まるで地球の裏側にいるかのような感覚が味わえます。

トレイルには道標もほとんどなく、GPSや地元ガイドの知識が頼りです。十分な順応と経験が求められますが、手つかずの自然と圧倒的なスケール感は、まさに「生涯忘れない旅」になるでしょう。

ラマユル〜アルチ・トレック:修行の道を歩く

短期間で文化と自然を満喫したい方には、ラマユルからアルチへ向かうこのトレッキングがおすすめです。まるで月面のような風景が広がるラマユルからスタートし、川を渡り、小峠を越えながら、ラダック最古の仏教遺跡群を巡ります。

ゴールのアルチ僧院はユネスコ保護対象であり、千年前の壁画や仏像が今も大切に残されています。歩きながら、信仰と時間の重みを肌で感じられるルートです。

ここで紹介したルートは、ラダックの魅力のほんの一部に過ぎません。賑やかな峠も、静かな谷も、それぞれが違う物語を語ってくれます。どの道を選んでも、その先に待っているのは、美しい風景だけでなく、自分自身と向き合うかけがえのない旅なのです。

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トレッキングルートと難易度

ラダックを歩いてみたいと思った時、まず気になるのが「自分に合ったトレイルはどれか?」ということではないでしょうか。ラダックには、のんびり歩ける谷のルートから、数週間かけて挑む本格的な高山遠征まで、さまざまなレベルのトレイルがあります。地形や標高、行動時間などの難易度を理解することで、自分にぴったりのルートを選ぶことができます。

初級:初心者向けのやさしいルート

トレッキングが初めての方や、文化体験を楽しみたい方には、ラダックのいくつかのやさしいルートがおすすめです。これらのルートは標高4,000m以下にとどまり、1日あたりの歩行時間も3〜5時間程度と無理がありません。

最も人気があるのは「シャム・バレー・トレック(ベビートレック)」です。リキル、ヤンタン、ヘミス・シュクパチャンといった伝統的な村々をつなぐこのルートは、地元のホームステイに泊まりながら、ラダックの素朴な暮らしと自然にふれあえる贅沢な体験ができます。標高が比較的低いため、高山病のリスクも少なく安心です。

また、「ラマユル〜アルチ・トレック」も初心者におすすめのコース。月面のような風景が広がる「ムーンランド」や仏教僧院など、文化と自然がバランス良く楽しめます。

中級:順応を終えた健脚向けのルート

少し体力に自信があり、事前に高地順応を終えている方には、中級レベルのトレイルがおすすめです。1日6〜8時間の歩行と、4,500mを超える峠越えが含まれるルートが多くなります。過去にトレッキング経験がある方に最適です。

代表的なのが「マルカ・バレー・トレック」です。技術的な難所は少ないものの、5,200mのコンマル・ラ峠を越えるため、しっかりとした順応が必要です。ホームステイを利用できるため荷物は比較的軽く、標高の上昇も緩やかなので無理なく歩けます。

また、「スノーレパード・トレック」も中級者向け。距離や標高はそこまで厳しくないものの、寒さや自然との向き合い方がポイントです。自然観察がメインなので、ゆっくりと進むトレッキングになります。

上級:本格的な遠征向け高難度ルート

上級者向けのトレイルは、体力、精神力、そしてある程度の野外サバイバルスキルが必要です。1日8〜10時間の行動、標高4,500m以上でのキャンプ、複数の高峠越えなど、厳しい条件が揃います。

代表格は「ツォ・モリリ〜スピティ・トレック」。人里離れた高原地帯を何日もかけて歩くこのルートでは、携帯も通じず、他のトレッカーにもほとんど出会いません。キャンプは野営中心となり、天候の急変も想定して準備が必要です。

また、「ルムツェ〜ツォ・モリリ・トレック」も、複数の5,000m超えの峠を越える上級ルートです。ヒマラヤの大パノラマ、遊牧民との出会い、氷河湖など、魅力も大きいですが、無計画な挑戦は危険を伴います。

自分に合ったルートの選び方

自分に合ったルートを選ぶには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。高度順応の経験、現在の体力、旅に使える日数、そして文化体験や自然観察など、求める体験の種類を明確にしましょう。

  • トレッキングが初めての方: シャム・バレーやラマユル〜アルチがおすすめ
  • 文化とチャレンジのバランスを取りたい方: マルカ・バレーが最適
  • 人のいない自然の中を歩きたい方: ツォ・モリリ〜スピティ、またはルムツェ〜ツォ・モリリを選びましょう

ラダックのトレッキングは、一人ひとりに合ったスタイルがあります。しっかり準備をして、自分のペースで歩けば、それぞれのルートが人生に残るような時間を与えてくれるはずです。

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高度順応と高山病対策

標高3,000〜6,000メートルに広がるラダックは、世界でも有数の高地にある人里です。ここでのトレッキングでは、順応をおろそかにすることはできません。ルートが比較的やさしいものであっても、高度に体を慣らすことは、安全で快適な旅をするための第一歩です。

高山病(Acute Mountain Sickness / AMS)は、標高の高い場所に急激に移動することで起こります。ラダックでは、飛行機でレー(約3,500m)に到着してすぐに動き出すと、頭痛・吐き気・倦怠感・食欲不振といった症状が現れることがあります。けれども、計画的に順応すれば、多くの場合は回避できます。

出発前の順応日を必ず設ける

高山病を防ぐ最も有効な方法は、レー到着後に少なくとも2日間の順応日を確保することです。その間はできるだけ静かに過ごし、水分をしっかり取りながら、身体が薄い空気に慣れるのを待ちましょう。

順応日の散策には、レー市内のシャンティ・ストゥーパやレー宮殿、郊外のゴンパ(僧院)をゆっくり歩くのがおすすめです。軽い負荷で体を慣らしつつ、現地の文化に触れることもできます。

登って、下って、眠る:高度順応の黄金ルール

高山順応の鉄則のひとつが、「登って、下って、眠る」という考え方です。日中は少し高い場所まで登ってもよいですが、夜は前日の高度か、それより低いところで眠るのが理想です。このリズムを守ることで、身体に無理なく酸素の少ない環境に慣れさせることができます。

多くのラダックのルートは自然とこの原則に沿った行程になっているため、マルカ・バレー・トレックなどでは特に意識せずとも高度に順応しやすい構成になっています。

水分補給と栄養補給

高地では空気が乾燥しており、呼吸数も増えるため、脱水が起こりやすくなります。喉が渇いていなくても、1日3〜4リットルの水分補給を心がけましょう。電解質を含んだ飲料や、スープ、温かいお茶もおすすめです。

食事はエネルギーが高く、消化の良いものを選びましょう。干し果物、ナッツ、エネルギーバー、ツァンパ(麦粉)やトゥクパ(麺料理)などが最適です。アルコールやカフェイン、喫煙は、酸素の吸収を妨げるため避けましょう。

薬の活用と安全への備え

高山病の予防薬として「ダイアモックス(アセタゾラミド)」を服用する方もいます。服用には副作用もあるため、出発前に医師の相談を受けておくのが安心です。

また、パルスオキシメーターを使って血中酸素濃度を測ることで、グループ全体の体調管理にも役立ちます。酸素レベルが著しく低下したり、症状が重くなった場合は、迷わずすぐに標高を下げることが最善の対策です。

絶対に無視してはいけない症状

もし仲間や自分が、混乱、休んでも息苦しい、まっすぐ歩けない、激しい頭痛などの症状を感じたら、すぐに行動を中止し、下山してください。これらは、HAPE(高地肺水腫)HACE(高地脳浮腫)の兆候であり、命に関わる重大な状態です。早期の対応が生死を分けます。

高山でのトレッキングは、挑戦的で魅力的な体験ですが、何よりも大切なのは「無理をしないこと」です。順応、水分、休息、そして周囲との助け合いを大切にすることで、ラダックの壮大な景色を心から楽しめる安全な旅になるでしょう。

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ラダックトレッキングの持ち物リスト

準備は旅の半分。マルカ・バレーのような定番ルートから、チャダルのような冬の冒険まで、どのルートであってもラダックでは適切な装備が快適さと安全を左右します。気温差が激しく、標高も高いラダックでは、何を持っていくかが旅の質に直結します。

服装:レイヤリングが基本

ラダックの気候は一日の中でも変化が大きく、日中は暑くても夜は氷点下になることもあります。服装は重ね着(レイヤリング)を基本とし、気温や風に応じて調整できるようにしておきましょう。

  • ベースレイヤー: 吸湿速乾性のあるアンダーウェア(上下)
  • ミッドレイヤー: フリースや軽量のダウンジャケット
  • アウターシェル: 防水・防風ジャケットとパンツ
  • トレッキングパンツ: 通気性があり速乾性のあるもの
  • 下着と靴下: 複数枚持参、できればメリノウール素材
  • 手袋・ニット帽・ネックゲイター: 寒さと日焼け防止用
  • 帽子(サンハットやキャップ): 高地での日射病予防に必須

夏でも標高が高い場所では夜に氷点下まで下がることがあります。-5°C以下を想定して、防寒対策はしっかり行いましょう。

靴:最も重要な投資

足元の装備は旅の快適さを左右します。防水性があり、足首をサポートできるしっかりしたトレッキングブーツを選びましょう。新品の靴は避け、必ず事前に慣らしておくこと。夜や川の渡渉時用に、軽量なサンダルやキャンプ用の靴もあると便利です。

必需品チェックリスト

多くのラダックのトレッキングに共通して必要となる持ち物を以下にまとめました。季節やルートに応じて調整してください。

  • バックパック(40〜60L)+レインカバー
  • デイパック(20L程度)貴重品や日帰り用
  • 寝袋(-10°C以下対応)
  • トレッキングポール(特に下りや峠越えで有効)
  • ヘッドランプ+予備の電池
  • 水筒2L以上(浄水器または錠剤と併用)
  • 速乾タオルと洗面用具
  • 日焼け止め(SPF50以上)、リップクリーム、サングラス
  • 常備薬と簡易救急セット

あると便利なアイテム

必須ではありませんが、持っていくと旅がより快適になるアイテムです。

  • カメラまたはスマートフォン+モバイルバッテリー
  • 耳栓(風の強い夜やにぎやかなキャンプに)
  • 旅の記録用ノートやペン
  • 軽量な本や電子書籍リーダー
  • 防水性のある小型ドライバッグ(電子機器や書類保護用)

借りるか、持参するか?

レーには、トレッキング装備のレンタルショップが数多くあります。寝袋やダウンジャケット、テント、アイゼン(チャダル用)などが手頃な価格で借りられます。短期滞在や予算を抑えたい方には便利ですが、ブーツやバックパック、ベースレイヤーなど直接肌に触れるものは、信頼できる自分の装備を使うのがおすすめです。

ラダックの準備は「量」ではなく「質」が大切。必要なものを、機能的・軽量・快適にそろえることで、自然や文化、そして歩くこと自体に集中できる、最高の旅になるでしょう。

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許可証・ガイド・責任あるトレッキング

ラダックでのトレッキングは、単に山を越えたり絶景を見るための旅ではありません。それは、土地や人々、そしてこの繊細な環境に対する敬意を持って旅することです。個人で旅する場合も、ガイド付きのツアーに参加する場合も、出発前に必要な許可証やガイドの重要性、そして自然に優しい旅のあり方を理解しておくことが大切です。

許可証:どのルートに必要?どこで取得する?

ラダックでは、国境に近い地域を含む一部のトレッキングルートでインナーラインパーミット(ILP)の取得が必要です。たとえば、ヌブラ渓谷、パンゴン湖、ツォ・モリリ湖、チャンタン高原などが該当します。これらの地域では、インド人・外国人ともに許可証の提示が義務づけられており、途中のチェックポストで確認されます。

特に外国人の場合、チャダル・トレックやハンレ周辺など、一部地域では旅行代理店を通じたグループ申請が必要になります。ILPはレーにある観光案内所(Tourist Information Center)や、公式オンラインポータルから取得できます。

一方、マルカ・バレーやシャム・バレーのようにレー県内にとどまるルートは、インド人も外国人も許可証なしで歩ける場合が多いです。ただし、毎年規定が変わることもあるので、出発前に現地の旅行会社や観光案内所に最新情報を確認しておきましょう。

ガイドを雇うべき理由

経験豊富な登山者の中には単独でのトレッキングを選ぶ人もいますが、ラダックでは現地ガイドを雇うことに多くのメリットがあります。彼らは地形、天気の変化、近道、避難ルートなどを熟知しており、文化的な知識も豊富です。僧院での礼儀作法や現地の言葉、動植物の解説など、旅の深みがまったく変わります。

何よりも、安全面で大きな安心があります。特に標高が高く人里離れた場所では、無理な行動か引き返すべきかの判断が命を守ることにもつながります。ラダックのガイドの多くは、高山病(AMS)や応急処置に関する基本的なトレーニングを受けています。

また、ポーターや調理スタッフなどを地元の業者から雇うことで、地域経済にも直接貢献できます。ツォ・モリリ〜スピティやスノーレパード・トレックのような遠征型ルートでは、こうしたサポートが欠かせません。あなたの選択が、ラダックの家族や若者たちの暮らしを支える一歩になります。

責任ある旅のために:足跡を残さず、感謝を伝える

ラダックは、ヒマラヤの中でも特に環境的に繊細な地域です。高地の自然は一度ダメージを受けると、元に戻るのに何十年もかかることがあります。だからこそ、訪れる私たちが環境を守る責任を持つことが重要です。

  • すべてのゴミを持ち帰りましょう。 たとえ生ごみでも自然には還りにくいことがあります。
  • プラスチックボトルの使用を避け、浄水器や水筒を活用しましょう。
  • 人や聖地を撮影する際は、必ず許可をとりましょう。
  • トイレは既設のトイレか、携帯用トイレを使用しましょう。 川や水源を汚さないように。
  • 決められた登山道を歩きましょう。 草木の踏み荒らしを防ぐことができます。

責任あるトレッキングは、今や選択ではなく「義務」です。観光が増えるラダックだからこそ、私たちが自然と文化を守る意識を持つことが未来への投資になります。山は、静寂、美しさ、気づきを与えてくれます。だからこそ、私たちも感謝と行動で応えましょう。

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よくある質問(FAQ)

ラダックでのトレッキングを計画していると、初心者も経験者も多くの疑問に直面します。ここでは、よくある質問とその答えをまとめました。初めての方も、安心して準備ができるようになります。

初心者におすすめのトレッキングは?

初めての方にはシャム・バレー・トレックが特におすすめです。1日3〜5時間程度の歩行と標高の低さにより、体力的な負担も少なく、ホームステイで文化にも触れられます。もう少しチャレンジしたい方にはラマユル〜アルチ・トレックも最適です。

高山病を予防するにはどうしたらいい?

高山病を防ぐには、到着後に48時間以上の順応期間を設けることが最も重要です。十分な水分補給、禁酒、無理のない行動、そして「登って、下って、眠る」という原則を守りましょう。必要に応じてダイアモックス(アセタゾラミド)の使用を医師に相談してください。

ガイドなしで歩けますか?

一部のルート(マルカ・バレーやシャム・バレー)はソロトレッキングが可能ですが、地図読みや自己判断に自信が必要です。ツォ・モリリ〜スピティのような本格的な遠征や冬季のチャダル・トレックでは、ガイドやサポートチームが必須です。

全てのルートに許可証は必要ですか?

いいえ。たとえばシャム・バレーやマルカ・バレーなどレー地区内に収まるトレイルは許可証不要のことが多いです。一方、ヌブラ、パンゴン、チャンタン地方はインナーラインパーミット(ILP)が必要で、外国人は代理店を通じて取得することが一般的です。

トレッキングに最適な時期は?

一般的に、5月中旬から10月初旬がベストシーズンです。5〜6月は花と清涼感、7〜8月は最もトレイルが開ける時期、9月は人が少なく紅葉が楽しめます。チャダル・トレックだけは1月中旬〜2月中旬の冬限定です。

費用はどれくらいかかりますか?

コースやスタイルによって異なります。シャム・バレーなどの短いホームステイトレックはINR 5,000〜8,000(3日間)程度、マルカ・バレーのガイド付きではINR 18,000〜30,000ほど。テント泊+サポートチーム付きの遠征型はより高額になります。

山中で携帯やインターネットは使えますか?

多くのルートでは携帯電波は届きません。まれにルムバックやスキウなどの村でBSNLやJioの電波が弱く入ることもありますが、基本的には完全なオフライン環境と考えてください。出発前に行程を家族や友人に知らせておきましょう。

トレッキング装備はレーでレンタルできますか?

はい、レーにはレンタルショップが複数あり、寝袋、ダウン、テント、ストック、アイゼン(チャダル用)などが揃っています。ブーツや肌着など、体に直接触れる装備は自前のものが望ましいですが、短期旅行や予算重視の方にはレンタルも有効です。

その他に不安や疑問がある場合は、現地の旅行会社やトレッキングコミュニティに問い合わせましょう。ラダックは秘境ですが、その旅人を支える人々はとても親切で、きっとあなたの旅を力強くサポートしてくれます。